ようこそ、こんにちは。中年マト子です。
私は一人暮らしが長く、自炊をしていることもあって、お気に入りの「器」を探すのが大好きです。
といっても断捨離を意識した暮らしをしているので、収集はせずに生活に必要な枚数だけで暮らしています。
そんななか、毎日のように使っていた器が2枚、続けて割れたり欠けたりしてしまったので、新しい器に買い替えることにしました。
今回は器の買い替えにあたり、初めて自分で「処分する器の供養」をしてみたお話、そしてそれをきっかけに思い出した、幼い頃の不思議な光景「炊飯器に毎日手を合わせるおばあちゃん」のお話です。
欠けた器と新しい器
冒頭でもお伝えした通り、ここ数ヶ月でお気に入りの器(2皿)が欠けたり割れたりしてしまいました。

もう1皿は、洗い物中に滑って落として派手に割れてしまいました(写真なし)
普段から断捨離を意識しているので、物を増やすことには慎重なのですが、今回はちゃんと気に入った器に出会えたため、思い切って購入。
新しく買った器はこちらです。
ででーん!

…代わり映えなくて申し訳ないです。
とても使い勝手が良くて気に入っていたお皿だったので、同じ作家さんの同じデザインのをまた買うことにしました。
ちなみにお値段は1,500円です。
ただ、作家さんの器は1点物なので、同じデザインでも色味や模様の出方などが違うため、新鮮な気持ちで使えます(言い訳ではなく)
そして、新しく買ったもう1皿はこちら!

割れてしまった器と同じく、カレーや汁物・丼ものに使える深さだけど、器自体が重くなくて扱いやすいものを条件に、いろいろと探しまわって見つけました。
額縁が変われば絵画もちがって見えるように、器が変わるだけで同じ料理でも新鮮に映るというもの。
お皿をひとつ変えるだけで、一人暮らしのおうちごはんもグッと楽しくなりますよ♪
ある企業を通じて知った感謝の儀式
今回の買い替えでいつもと違ったのは、器を捨てる前に「供養」をしたことです。
きっかけは、たまたま目にしたニュース記事でした。
ある老舗企業の工場で「長年稼働してきた機械を止めるセレモニー」があり、社長や従業員たちがその機械の前に集まって「今まで会社を支えてくれてありがとう」という気持ちを込めてお神酒をかけたり感謝の言葉をかけ、みんなが見守る中、その長年の稼働に終止符を打ったという内容でした。
――読んでいて、とても心に響きました。
これまでも私は、愛着のある物を処分するとき「今までありがとう」と心の中で感謝してから捨てていました。
でもニュースを読んで、こんな風にしっかりと感謝を行動で示してお別れをする習慣って素敵だな、そう感じて、自分の暮らしにも取り入れてみようと思ったんです。
はじめての「器の供養」
先にお伝えしておくと、私に正式な知識などありませんので、ネットで調べた自己流です。
ちゃんとした供養を望む方は、しかるべき所に頼んでくださいね。
さて、私が読んだニュース記事には「お神酒をかける」と書いてありました。
それを頼りに調べたところ、物の供養にお酒と塩を使う方法を見つけました。
どちらもお清めの際によく使われますね。
ということで用意しました。

何をもってお神酒というのかよく分からなかったのですが、とにかく「供養する気持ちが大切」とあったので、自宅にあった「料理酒」と「食塩」を使うことにしました。
供養するのは器だから、きっと相性も悪くないことでしょう。
用意したお酒(塩入り)を器に滴らせます。

あとは両手で器を持って、感謝の気持ちを声に出して完了です。
お清め → 感謝を述べるっていうシンプルで分かりやすい手順ですね。
今回はじめて物の供養をしてみて感じたのは、これまでの「捨てる・処分する」という現実的な感覚だったり、「愛着からくる気持ち」にそこまで変化はなかったということ。
もともと感謝してから捨てるようにはしてたので、それが形を変えただけなのかもしれません。
ひとつ違ったのは、そこに「しっかりとお別れできた」という自分への納得感みたいな気持ちがあったことです。やってみて良かったな、と思えました。
後片付けをしながら、そんなことを思い巡らしているうちに、ふと亡くなったおばあちゃんを思い出しました。
毎日のように、炊飯器に向かって真剣に手を合わせていたおばあちゃんの後ろ姿。
そんな少し不思議な光景を眺めながら、私は育ちました。
炊飯器に手を合わせるおばあちゃん
数年前に亡くなったおばあちゃんは、色んなものに感謝する人でした。
なかでも心に残っているのは、おばあちゃんが炊飯器にお米をセットしたあと、お仏壇にするように目を閉じて手を合わせながら、小声で真剣にブツブツ言っている後ろ姿です。
まだ幼かった私が不思議に思って「いつも何してるの?」と尋ねると、
「毎日美味しいごはんを炊いてくれてありがとうございます。おかげさまで家族みんなが健康に過ごせます。」と言ってるんだよ
と教えてくれました。
それを聞いた幼い私は、
「炊飯器にそんなこと言うの?変なの~??」と思った記憶があります。
実際、おばあちゃんは少し変わっていたのかもしれません。
私の知る限り、家電に向かって拝んでいる大人は、おばあちゃんだけでしたから。
どちらにせよ、理由を尋ねたところで理解できなかった私は、あいかわらず炊飯器に拝むおばあちゃんを、あいかわらず不思議な気持ちで眺めながら過ごしました。
そんな私も、もう40代。
年齢と経験を重ねて、色んなことに感謝するようになった今では、おばあちゃんの行動が尊いことのように感じられます。
おばあちゃんはもうこの世にはいませんが、物にも分け隔てなく感謝するという素敵な教えを、私なりに引き継いでいきたいと思いました。
おまけ(新しい器の食卓デビュー)
最後に、アイキャッチにも使った写真を改めて。
新しい器を初めて使った記念に撮りました。

新しい器を使うたび、新鮮で嬉しい気持ちを味わえるので、しばらくはゴキゲンに過ごせそうです。
ひとり暮らしを単調に感じている方がいらっしゃったら、試しにお気に入りの器を探してみてはいかがでしょうか。
最後までご覧いただき、有難うございました。

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